壁掛けテレビボードをセルフリノベーションしたときに壁をふかし壁にしたので、ふかし壁の作り方について紹介したいと思います。
ふかし壁の作り方は今回紹介する方法だけではないと思いますが、皆さんの参考にしていただければと思います。
壁掛けテレビボードの作成手順はこちらで紹介しているので、気になる方はこちらからご覧くださいね。
ふかし壁とは?
ふかし壁ってなに?という方のために、ふかし壁について簡単に説明させてもらいますね。
建築用語での『ふかす』とは漢字で『付加す』と書き、仕上げの壁を前に出して造る壁のことをふかし壁と言います。
なぜふかし壁を造るのかというと、ふかし壁を造ってその中に配管・配線などを通したりデザイン性のためにふかし壁を造ることがあります。
ふかし壁をつくることによって配管・配線などを綺麗に隠すことができたり、大きなニッチを付けたり埋込の棚を造ったりすることができます。
ふかし壁は配管などを綺麗に収めるためやデザイン性を求めるためなどふかし壁にしたい用途によって造る理由は異なりますが、ふかし壁という方法があることをご存じでない方に知ってもらえればDIYやリノベーションの幅が広がります。
▲ふかし壁の一例
▲ふかし壁の下地
上の写真は僕が知り合いの大工さんに依頼してリノベーションした実家のテレビ台になり、ふかし壁にしたことによってテレビ台や棚を壁に埋め込みニッチを造ることができます。
しかし、ふかし壁のデメリットはふかし壁を造ることによって部屋が少し狭くなってしまうことです。また、僕のようにテレビを決める位置を決めると簡単には変更できなくなるのもデメリットかもしれませんね。
使用した道具・工具
僕がふかし壁を造るのに使用した道具・工具をまとめると
・インパクトドライバー
・レーザー墨出し器
・墨つぼ
・木工ボンド
・75㎜ビス
レーザー墨出し器はあれば墨出しが簡単で正確に出来ますが、持っていなくても他の方法で代用すればいいですが、墨つぼは持っておいた方が作業がスムーズに出来ますよ。
僕が造ったふかし壁に使用した材料をまとめると
45㎜×45㎜×4000㎜ 6本3190円
・石膏ボード
910㎜×1820㎜×12.5㎜ 359円×3枚
・SPF1×4材(見切縁として使用)
19㎜×89㎜×3660㎜ 599円×2枚
KD材とは簡単に説明すると乾燥させている木材のことで、割れや反りが生じにくいのが特徴ですよ。
見切縁(みきりぶち)は1×4材を購入しましたが希望のサイズが売っていなかったので、1×3材のサイズ(19㎜×63㎜)に切断して白に塗装して使用しました。
見切縁(みきりぶち)とは仕上げが異なる部分を綺麗に仕上げるための仕上げ材のことですよ。
ふかし壁の作り方
ふかし壁の作成手順をまとめると
・墨だし
・下地を組む
・石膏ボード貼り
・壁紙・塗装仕上げ
設計
ふかし壁を造るときに限らずある程度のものをDIYする場合は、材料の計算などもふまえて設計する必要があります。DIYなので人に伝える必要がない場合は自分の頭の中で理解できればそれで構わないと思いますよ。
僕の場合は、壁掛けテレビを設置するためのふかし壁になるので造ったふかし壁の中心にテレビを設置します。なので、ふかし壁の幅によってテレビの位置が決まります。
僕が造ったふかし壁のサイズは横幅1848㎜高さ2460㎜ふかす厚さは57.5㎜になります。
ホームセンターで木材を見ないと木材のサイズがわからないという方もいると思いますが、ある程度の設計を頭に描いていないと木材の量も把握できないので設計サイズのイメージは持っていてくださいね。
墨出し
間柱になる45㎜の角材の下地を壁に固定する位置を墨つぼで墨出しをします。
墨出しをしたい位置にレーザー墨出し器で垂直位置を合わせます。墨つぼの先は針がついているので墨つぼの先を壁に刺し墨がついた糸を下まで引き延ばしたら糸をはじきます。すると壁に墨の跡がつくのでこれで下地を固定する位置が決まります。
▲墨つぼの先を壁に刺しています
▲下まで糸を引き延ばしています
この墨出しを最低限きちんと位置を決めたい場所に墨出しをしておきます。
墨出しをするときは仕上げの石膏ボードの厚みなどを考慮して墨出しをしてくださいね。
また、レーザー墨出し器の使い方が気になる方は、こちらからご覧くださいね。
下地を組む
ふかし壁の下地はふかしたい厚みなどによって材料や下地の組み方が変わってきますが、壁の下地の構造が理解できれば好みの厚みによって組み方を考えられるようになってきます。
今回は57.5㎜しか厚みはないので45㎜の角材をそのまま壁に固定して石膏ボードで仕上げるようにしています。
壁の下地の構造については、こちらからご覧くださいね。
墨出しした位置の床から天井までの長さに切断した下地材をビスと木工ボンドで取付けていきます。
45㎜の角材だとビスの下穴を空けないと木材が割れることがあるので気をつけてくださいね。
▲位置決めをしやすい場所から固定します
木材に反りや曲がりがある場合、墨出し線に合わすように木材の反りや曲がりを強制しながら固定してください。
墨出しした位置に固定していくだけですが、注意点としては僕のように既存の壁に固定していく場合は出来る限りしっかり固定するためにも既存壁の下地がある位置に固定するようにしてくださいね。
本来は下地の間隔は一般的には1尺(30.03㎝)が望ましいですが仕上がりの位置が左右されない場所は、既存壁の場合は既存壁の下地のある位置を優先してくださいね。
僕の場合は右から3本目はこの位置でないといけないので天井と床部分にしか下地はありません。
下地が無くても木工ボンドとビスで固定してくださいね。
今回の僕の場合は、これでほぼ下地組みの完成の状態になります。
下地とは石膏ボードを貼るためのものになるので下地が無い箇所は石膏ボードが貼れなかったり石膏ボードを貼った時の強度が低くなるので、石膏ボードをどう貼るのかを考えて下地を組んでくださいね。石膏ボードのサイズが3×6(910㎜×1820㎜)サイズになるので石膏ボードを貼り合わせる位置には必ず下地が必要になりますよ。
今回はこれで完成になりますが、ふかし壁の厚みを出したい方はここから手前に同じように下地を組んでいくことになります。ふかし壁の厚みが欲しい方は、45㎜の角材ではなく35㎜などの他の下地に適した木材を選んでくださいね。
下地が組み終わると見切縁をビスと木工ボンドで下地側からビスで固定して完成です。
▲手前の手前の白い木が見切縁になります
石膏ボード貼り
下地を組むと仕上げ方法によって石膏ボードやケイカル板を貼っていくことになります。
石膏ボードは木工ボンドと石膏ボードビスで下地に固定して、石膏ボードの接合部分とビス跡部部にパテ処理をします。
石膏ボードの貼り方については詳しくはこちらをご覧くださいね。
壁紙・塗装仕上げ
石膏ボードやケイカル板を貼ったら壁紙や塗装で仕上げてふかし壁の完成になります。